利益確定と損切り
売りであれ買いであれエントリーした後に待ち構えているのが「出口をどうするのか?」ということです。
出口としては大きく「利益確定」と「損切り」の2つに分かれます。
利益確定
利益確定は利益をできる限り確定するために行います。
買いでエントリーしたのであれば、株価が上昇しある値段になった時に売り抜けて利益を確定します。
利益確定は攻撃的な手法で、基本的には指値注文を用いて設定します。
指値についてわからない方は以下のリンクをご覧ください
損切り
損切りは想定の範囲内で損を収めるために行います。
買いでエントリーしたのであれば、株価が下落し、自分が許容できる損になった時に損を確定させます。
損切りは保守的な手法で、基本的には逆指値注文を用いて設定します。
逆指値についてわからない方は以下のリンクをご覧ください
別の記事でも説明していますが、「利益確定」と「損切り」のどちらが大切かというと、「損切り」の方がとても大切になります。
心理学的にも人は根本的に損を広げやすい性質をしているので、損切りを「自動的に」「機械的に」設定していくことが成功の鍵と言えます。
その損切りのワンランクアップした手法にトレールというのがあるので、説明していきます。
損切りで得をする「トレール」
トレールのやり方
例えば100円で買いエントリーしたとします。5%の損切りラインで逆指値注文を設定して、20%以上あたりで利益確定できるように指値注文をします。
株価が上下しながらもある時120円の高値まで伸びてきました。
その時、120円の10%下の価格である108円に損切りラインを切り上げます。これをトレールといいます。
すると、120円からもし100円まで下落したとしても、108円で損切りになるので+8%の利益となり、120円以上に値上がって行ったとしてもそれについていくようにトレールすればいいので、損は一切なくなります。
このようにトレールは「株価の上昇(下落)に合わせて、損切りラインを切り上げ(切り下げ)ていく手法」です。
これをすることによるメリットはとても高くて、まず心理的な影響が大きくなります。
「どれだけ損しても5%に抑えられる」「トレールしたから、どんな状況だろうと得しかない」という心理的状況でいられることのメリットは大きいです。
またこれは2015年から2017年の四季報データと株価の関連をまとめたのでわかったことなのですが、数万件にも及ぶ検証から「損切りを設定することで約+5%程度の利益効果が出てくる」ということがわかりました。
つまり、損切りをちゃんと設定することで「心理的」にも「利益的」にもいいことが多いのです。
トレールする時の注意点
トレールをする時に注意する点が1つあります。
例えば先ほどと同じようにエントリーと損切り設定をしたとして、104円まで値上がりをしたとします。
ここで「値上がったからトレールしよ〜」と考え、損のなくなる100円まで損切りラインを切り上げたとします。
すると、株価が急落してあっという間に損切りに当たってしまいました。
確かに損のない損切りのように見えるのですが、実は手数料のことも考えていかないといけません。
上の図のように、比較的早い段階でトレールをしてしまうと損切りラインに当たってしまう回数が増えます。
すると取引回数が増えるので、その分手数料がかさんでしまい、手数料負けをしてしまう可能性があるのです。
ですので、トレールをする時はしっかり値上がったのを確認して、直近の底値に抵触しないあたりにラインを切り上げるようにするといいでしょう。
損切りは絶対に設定しよう!
ここまで説明したように、損切りの設定はとても重要です。
ですので、エントリーしたらその場ですぐに逆指値注文かトレール注文をするようにしましょう。

しかし、「利益確定もしたい!」というのも人情としてあることは理解できます。
そのために逆指値と指値を両方とも設定できる注文があります。
すべての証券会社が両方ともを注文できるわけではないですが、楽天証券のダブル注文やマネックス証券のツイン注文などで逆指値と指値の両方を同時に設定することが可能です。