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円安・円高になる為替の仕組み

 

円高・円安とは

投資をしていないと、海外旅行をするときぐらいしか為替レートが気になるタイミングがないですが、為替レートは常に動き続けています。

 

例えばドル円の関係を1ドル=100円を基準にしたとき、

  • 1ドル=110円になると円安(ドル高)
  • 1ドル=90円になると円高(ドル安)

という風に円高・円安になっていきます。

 

 

円高・円安がややこしい

さっきの例を聞くと

疑問に思う人
数字が小さくなっているのに円高?
疑問に思う人
数字が大きくなっているのに円安?

という疑問が出てくるのではないでしょうか?

 

  • 100円が110円になったのに円安
  • 100円が90円になったのに円高

このようなややこしい状態になったのは「1ドルいくら」と「日本円の価値がどれくらいか」という2つの表現が使われているのが原因なのです。

 

円高・円安がややこしい理由の解説

円高・円安がややこしい理由を解説していきます。まず、1ドル=100円を基準として

  • 1ドル=125円
  • 1ドル=80円

になったときのことを考えていきます。

 

「ドル基準」で見てみる

まず、「ドル基準」で2パターンを見てみると

  • 1ドル=125円は「ドルの価値が高くなっている」のでドル高
  • 1ドル=100円(基準)
  • 1ドル=80円は「ドルの価値が低くなっている」のでドル安

という風にかなり分かりやすくなっています。

 

「円基準」で見てみる

そして次に「円基準」で2パターンを見て見たいのですが、1ドルいくらではドル基準なので、ここは分かりやすく「100円がいくらか」に変換してみてみましょう。

  • 1ドル=125円 → (変換) → 100円=0.8ドル
  • 1ドル=100円 → (変換) → 100円=1.0ドル
  • 1ドル= 80円  → (変換) → 100円=1.25ドル

 

円基準に変換した上で見てみると

 

  • 100円= 0.8ドル は「円の価値が低くなっている」ので円安
  • 100円= 1.0ドル (基準)
  • 100円=1.25ドルは「円の価値が高くなっている」ので円高

という風に円基準で考えたい場合が、一旦変換が必要になるのです。

 

【まとめ】円高円安がややこしい理由

ややこしい理由をまとめると、

数字で表示するときは「ドル基準」(1ドル=100円の表示)なのに、

ニュースや新聞や口頭で使う表現が「円基準」(「円安になりした」など)

というあべこべな使い方をしているのが原因なのです。

 

本来は「ドル基準」で数字を使っているなら、ドル高・ドル安という「ドル基準」の表現を使えばややこしいことにはならないのですが、今更ドル高・ドル安という表現は違和感が出てしまいますね。

 

 

なので、円高・円安を簡単に覚えたいときは

「数字が低くなった」・・・円高

「数字が高くなった」・・・円安

という風に逆転させて覚えておくといいでしょう。

 

円高(ドル安)のメリットとデメリット

円高ドル安になるというのは1ドル=100円が80円になるような状態で「相対的にドルの価値が安くなっている」ということなので、日本から見てドルで買えるものが安くなっている状態です。

 

なので日本の輸入企業が好調になったり、私たちが海外旅行するときにお得になります。

 

逆に、円の価値が相対的に高くなっているので、海外から見て日本の商品が高くなっています。

 

なので日本の輸出企業が不調になったり、日本への旅行者数が減少して観光業が不調になったりします。

 

 

円安(ドル高)のメリットとデメリット

円安ドル高になるというのは1ドル=100円が120円になるような状態で「相対的に円の価値が安くなっている」ということなので、海外から見て円で買えるものが安くなっている状態です。

 

なので日本の輸出企業が好調になったり、日本への旅行者数が増加して観光業が好調になったりします。

 

逆に、ドルの価値が相対的に高くなっているので、日本から見てドルの商品が高くなっています。

 

なので日本の輸入企業が不調になったり、海外旅行が不利になったりします。

 

 

一般的に、日本は輸出企業の業績が日本全体の動向を左右する傾向があるので、円安ドル高に進むほど元気になっていきます。

 

為替が動く理由

為替レートというのは2国間の力関係で決まっていきます。

 

景気が変化するとその国の「信用」が変化したことになるので通貨が動きます。

 

国の金利が変化すると「よりお得な金利」を求めて通貨が動いていきます。

 

このように通貨の動きに合わせて為替レートが日々変化しているのです。

 

〇〇安に動く要因

例えばA国とB国があったときに、

「A国の景気が悪くなりました!」
「A国の金利が下がりました!」
「A国の貿易収支が赤字でした!」

といったマイナスな情報が流れると、世界中の投資や機関投資家が

「危ないから通貨を手放そう!」

と判断して、通貨を売っていきます。

 

すると通貨の価値が安くなるので「〇〇安」方向へ為替レートが変化します。

 

「通貨が売られると安くなる」というのはイメージしづらいのですが、あなたが野菜を買うときに「野菜に禁止農薬が使われていた!」といたニュースが流れたら野菜を買いづらくなりますよね?

 

野菜が買われなくなると値段を安くしないと買ってくれなくなりますので、価格が下落します。

 

このようなイメージで捉えていくと分かりやすいでしょう。

 

〇〇高に動く要因

逆に

「B国の景気が良くなりました!」
「B国の金利が上がりました!」
「B国の貿易収支が黒字でした!」

といったプラスな情報が流れると、世界中の投資や機関投資家が

「安全だしお得だから通貨を買おう!」

と判断して、通貨を買っていきます。

 

すると通貨の価値が高くなるので「〇〇高」方向へ為替レートが変化します。

 

 

為替は予想・感情が支配する世界

先ほど説明したように、投資家や機関投資家などが情報を元に「安全か?危険か?お得か?不利か?」といった予想を元に売買をし、その結果為替レートが変化しています。

 

「為替は情勢に先んずる」と良く言われます。

 

日本では1989年始めあたりから株価が大暴落していましたが、1990年あたりまで日本国内のバブリーな雰囲気は続いていたようです。

 

株価の大暴落から数年後に日本国内でも衰退ムードが蔓延し始めました。

 

このように為替は情勢の先読みを常にされて、反映されているのです。

 

FXをしている場合にとても重要になる情勢発表の一つに「アメリカ雇用統計」というのがあります。

 

毎月第1金曜日の21時30分にアメリカの情勢の発表があり、その発表前後で為替レートは大きく動く傾向があります。

 

ここで面白いのが、「アメリカの実際の情勢」が為替レートに反映するのではないということなのです。

 

 

上の図は2016年9月2日と2016年10月4日の雇用統計の時のドル円のチャートですが、この2つの雇用統計の「実際の数値」は同じなのです。

 

ですが、チャートの動きを見てもらうと微妙に違うことが分かります。

 

9月の発表では一時的に上昇したけれど、下落になっています。

 

10月の発表では上昇トレンドの起点となっています。

 

同じ数値の発表なのに、なぜ動き方が違うのかというと

「予想」より良いか・悪いか

で投資家が売買をしているからなのです。

 

このように為替の世界というのは「予想」と「感情」によって支配された世界なのです。

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