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【四季報の見方】四半期進捗率・会社業績修正が大切!特集企画エリア

 

この記事では、Hエリアの【特集企画】【信用格付け】を解説しています。

 

H【特集企画】※重要

【特集企画】では年4回発売される四季報各号によって異なります。

各号ごとで特集を組んで、会社の今後の業績を考えるきっかけとなります。

 

  • 夏号・・・【会社業績修正】
  • 秋号&新春号・・・【四半期進捗率】
  • 春号・・・【採用】

 

なぜ各号ごとに違いが出るのかは下記の「知らずに投資したら損する!会社四季報の各号の特徴をまとめてみた!」をごらんください。

 

H【会社業績修正】※夏号特集

夏号では前期の本決算情報が出揃うためスタートの位置付けとなっています。

 

そして、新春号の後の第3四半期決算の業績修正を視野に入れて、「この会社の業績修正グセ」を夏号では特集として教えてくれています。

 

【会社業績修正】では過去2回の決算で上方修正・下方修正がそれぞれ何回行われたかを示しています。

 

 

会社の業績修正グセとは?

前期の本決算で会社は1年間のまとめを発表しますが、同時に今期の1年間の予定・予想を発表します(これを会社の業績予想という)。

 

そして、四半期決算ごとに進捗がどうなのかを発表するときに、予想とは大きくズレそうな場合には修正報告をしないといけない決まりがあります。

 

実はこの今期の予想を発表する時に会社のクセが出てくるのです。

 

例えばあなたが1年の目標を他人に言わなければならないとしたら、どのように言うでしょうか?

困っている人
あまり大きいことを言って達成できなかったらいやだから予想を小さい言おう
喜ぶ人
目標は大きく持っていかないと自分のモチベーションにならない!
疑問に思う人
まぁ、去年とデータを比べたら今年も同じ感じかな?

などなど、考えることは人それぞれだと思います。

 

これと同じことが会社でも言えます。

  • 「大きいこと言って株主を失望させるのは避けたいな、だから少なく見積もろう」
  • 「社内の活気を高めるために予定を高く設定して、みんなで頑張ろう!」
  • 「今年は去年と同じ程度の収益が見込めるから、前期の数値と近い値にするか」

 

つまり、夏号では発表された会社の予定・予想が「少なく見積もっていた」のか「多く見積もっていた」のかを【会社業績修正】で示してくれています。

 

 

ここで気をつけていただきたいのが、「修正回数が8回!これはまた上方修正くるだろ!」と安直に考えてはいけません。

 

このようなことはみんな考えつくことなので、すでに株価に織り込み済みの可能性が十分あります

 

四季報が発売された後にチェックしてみると株価が跳ね上がる銘柄が多いのもそれを示しています。

 

また、上方修正をしたからといって株価が上がるというわけでもなくて、「今回の上方修正はこんなもんか」という失望で株価が下落することが良くあります。

 

ですので、あくまでも「サプライズ修正なのかな?」という点を意識して数字を見ていきましょう!

 

H【四半期進捗率】※秋号・新春号特集

秋号は第1四半期決算の情報が、新春号は中間決算の情報が載るため、この2つの号では会社それぞれの進捗率が表示されます。

 

単純に言ってしまえば、秋号では進捗率が25%を超えている、新春号では進捗率が50%を超えている会社が予定よりも進んでいることがわかります。

 

しかし、ここで気をつけていただきたいのが、業種によって時期的な要因で進み方に違いがあるということです。

 

例えば、仕事が年末に多く入りやすい土木関係業種や、年度末に売り上げが偏る不動産関係などは進捗率の進み方が異なります。

 

そこで確認するのが、カッコ内に示されている「過去3期分の同じ時期の進捗率の平均」と「現在の進捗率」の差です。

 

これを確認した時に大きく進捗率が進んでいると上方修正・下方修正が来ることが予想できます。

 

 

H【採用】※春号特集

第3四半期の発表が出揃った春号では、来期の決算に向けた予想を始めています。

 

しかも発売時期が2月中旬なので、時期的には新学期・新年度の話になります。

 

【採用】では新卒採用のためと思われる特集となっています。

  • 「初」・・・4年制大学の新卒者の初任給(1年前の実績値)
  • 「予」・・・来年度の採用予定人数または見込み人数
  • 「内定」・・・今年度の新卒学生の入社内定人数。(女 )は女性の内人数
  • 「中途」・・・原則前年度〜今年度までに入社した中途採用者数
  • 【〇〇〇〇採用】・・・グループ全体、主要子会社などの合計採用者

 

H【格付】

【格付】では社債など債権を発行しいる会社が債務の元本や利息を払う能力を持っているかを格付したものです。

格付を専門に行う業者(格付機関)として4社を四季報では載せています。

  • [SP]・・・スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン
  • [M]・・・ムーディーズ・ジャパン
  • [J]・・・日本格付研究所
  • [RI]・・・格付投資情報センター

実際のところは自分で業績を読めるようになればあまり関係ないので、「そんなのあるんだなぁ〜」くらいで十分です!

 

 

スタンダード&プアーズの格付基準

AAA債務者がその金融債務を履行する能力は極めて高い
AA債務者がその金融債務を履行する能力は非常に高く、最上位の格付けとの差は小さい
A債務者がその金融債務を履行する能力は高いが、上位2つの格付けに比べ、事業環境や経済状況の悪化の影響をやや受けやすい
BBB債務者がその金融債務を履行する能力は適切であるが、事業環境や経済状況の悪化によって債務履行能力が低下する可能性がより高い
BB債務者は短期的により低い格付けの債務者ほど脆弱ではないが、高い不確実性や、事業環境、金融情勢、または経済状況の悪化に対する脆弱性を有しており、状況によってはその金融債務を期日通りに履行する能力が不十分となる可能性がある
B債務者は現時点ではその金融債務を履行する能力を有しているが、「BB」に格付けされた債務者よりも脆弱である。事業環境、金融情勢、または経済状況が悪化した場合には債務を履行する能力や意思が損なわれやすい
CCC債務者は現時点で脆弱であり、その金融債務の履行は、良好な事業環境、金融情勢、および経済状況に依存している
CC債務者は現時点で非常に脆弱である
R財務上の問題が理由で規制当局の監督下に置かれている債務者に付与される格付け
SD,D債務者の金融債務の少なくとも一部(格付けの有無を問わない)が履行されていないことを示す

AAからCCCまでの格付けには、プラス(+)記号またはマイナス(-)記号が付与されることがあり、各格付けの中での相対的な強さを表します。(C)は格付けの見直しを必要とする特別な出来事または短期的なトレンドに焦点をあてた格付けの方向性に関するS&Pの意見を示すもので、(Cポ)は格上げの可能性、(Cネ)は格下げの可能性、(C不)は格上げ、格下げ、格付け据え置きのいずれの可能性もあることを示します。(ポ)、(ネ)、(安)、(不)、(N)は中期的に格付けがどの方向に動きそうかを示すもので、(ポ)=ポジティブは上方に向かう可能性、(ネ)=ネガティブは下方に向かう可能性、(安)=安定は安定的に推移しそうであること、(不)=方向性不確定は上方にも下方にも向かう可能性があること、(N)は方向性に意味がないことを表します。銀行や証券等についてはカウンターパーティ、生損保については保険財務力の格付けです。

 

ムーディーズ・ジャパンの格付基準

Aaa信用力が最も高いと判断され、信用リスクが最低水準にある債務に対する格付け
Aa信用力が高いと判断され、信用リスクが極めて低い債務に対する格付け
A中級の上位と判断され、信用リスクが低い債務に対する格付け
Baa中級と判断され、信用リスクが中程度であるがゆえ、一定の投機的な要素を含みうる債務に対する格付け
Ba投機的と判断され、相当の信用リスクがある債務に対する格付け
B投機的とみなされ、信用リスクが高いと判断される債務に対する格付け
Caa投機的で安全性が低いとみなされ、信用リスクが極めて高い債務に対する格付け
Ca非常に投機的であり、ディフォルトに陥っているか、あるいはそれに近い状態にあるが、一定の元利の回収が見込める債務に対する格付け
C最も格付けが低く、通常、ディフォルトに陥っており、元利の回収の見込みも極めて薄い債務に対する格付け

AaからCaaまでの格付けに1、2、3の符号を付け、各格付けの中で1が上位、2が中位、3が下位にあることを示します。↑印は格上げの方向、↓印は格下げの方向、?印は方向未定で格付けを見直し中であること、(ポ)=ポジティブ、(ネ)=ネガティブ、(安)=安定的、(検)=検討中は格付けの中期的な方向性に関するムーディーズの意見を表します。銀行については長期預金、生損保については保険財務の格付け、金融持ち株会社に格付けが付与されていない場合は中核子会社の格付けです。

 

日本格付研究所の格付基準

AAA債務履行の確実性が最も高い
AA債務履行の確実性は非常に高い
A債務履行の確実性は高い
BBB債務履行の確実性は認められるが、上位等級に比べて、将来、債務履行の確実性が低下する可能性がある
BB債務履行に当面問題はないが、将来まで確実であるとは言えない
B債務履行の確実性に乏しく、懸念される要素がある
CCC現在においても不安な要素があり、債務不履行に陥る危険性がある
CC債務不履行に陥る危険性が高い
C債務不履行に陥る危険性が極めて高い
LD 一部の債務について約定どおりの債務履行を行っていないが、その他の債務については約定どおりの債務履行を行っているとJCRが判断している
D 実質的にすべての金融債務が債務不履行に陥っているとJCRが判断している

AAからBまでの格付け記号には同一等級内での相対的位置を示すものとして、プラス(+)もしくはマイナス(-)の符号による区分があります。p印は公開情報に基づき当該債務者(発行体)の了解を得た上で付与する格付け、#印はクレジットモニター(見直し作業中)で、(ポ)はポジティブ、(ネ)はネガティブ、(不)は方向性不確定で見直し中であること、#印のない(ポ)、(ネ)、(安)、(不)、(複)=方向性複数は格付けが中期的にどの方向に動き得るかという見通しを示します。

 

格付投資情報センターの格付基準

AAA信用力は最も高く、多くの優れた要素がある
AA信用力は極めて高く、優れた要素がある
A信用力は高く、部分的に優れた要素がある
BBB信用力は十分であるが、将来環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある
BB信用力は当面問題ないが、将来環境が変化する場合、十分注意すべき要素がある
B信用力に問題があり、絶えず注意すべき要素がある
CCC信用力に重大な問題があり、金融債務が不履行に陥る懸念が強い
CC発行体のすべての金融債務が不履行に陥る懸念が強い
D 発行体のすべての金融債務が不履行に陥っているとR&Iが判断する格付け

AA格からCCC格までの格付けについて、上位格に近いものにプラス(+)、下位格に近いものにマイナス(-)の表示をすることがあります。op印は格付け関係者の依頼によらずR&Iの判断で付与した格付け、()内はレーティング・モニター(見直し作業中)の対象として格付けを見直していることを示し、格上げ方向、格下げ方向、方向は未定の3つがある。(ポ)=ポジティブ、(ネ)=ネガティブ、(安)=安定的は格付けの方向性を示し、中期的な方向性についてのR&Iの意見を表します。

 

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