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例題で学ぶ | PER(株価収益率)で割安な企業株を発見する考え方

 

株式投資のファンダメンタル投資においては企業の状態を把握する指標はとても大切で、特にこのPERは特に大切な指標の一つとなります。

 

2つの企業を比べた時に、どちらの株がより割安になっているのかがわかるので、是非マスターして、株式投資に役立てていきましょう!

 

始めにPERとはなんぞや?

PERとは【株価収益率】と言います。

 

数値の計算式は

でもとめることができます。

 

・・・・・・と言われてもわからない可能性があるので、次のような表現を使って深堀していきましょう。

 

その会社が1年間に稼ぎ出す
1株あたりの純利益の金額に対して
現在の株価が何倍なのか?

 

これがPERの根本的な意味です。

 

まず純利益とは?

ここで先ほどの文章の中の

 

その会社が1年間に稼ぎ出す
1株あたりの純利益の金額に対して
現在の株価が何倍なのか?

 

赤文字に着目したいと思います。

 

会社というのは基本的に何かをモノ・サービスを提供することでお金を手に入れます。

それを1年間を通して行っていき、最終的にその総計は売上高と言います。

 

そこから経費とコストを引いたものが営業利益

そして借金の利息などを引いたものが経常利益となり、最終的に税金を引いて残った金額が純利益となります。

 

最終的にはこの純利益を会社は時期の運営に回すことができます。

 

 

売上高と純利益の関係の詳しいことは以下の記事に書いてあります。

 

1株あたりの純利益とは?

次に先ほどの文章の

 

その会社が1年間に稼ぎ出す
1株あたりの純利益の金額に対して
現在の株価が何倍なのか?

 

この赤文字に着目します。

 

基本的な知識になるかと思いますが、株式会社は法律上株主のものなので、

  • 会社が出した純利益
  • 会社の持っている資産

と言ったものはすべて株主のものなのです。

 

例でわかりやすくすると・・・

例えばA社という会社があり、発行済みの株式が1,000株あったとします。

 

Aさんは500株、Bさんは300株、Cさんは150株、Dさんは50株持っていたとします。

 

すると1年間で会社が出した利益は株主のものなので、この場合この4人に分配されるわけです。

 

Bさんは1,000株中300株を持っているので、純利益の30%(=300÷1,000)をもらう権利があり、Dさんは1000株中50株持っているので、純利益の5%(=50÷1,000)をもらう権利があります。

 

しかし、現実にはもっと多くの株主がいて、持っている株数もバラバラなので、単純に「その株を1株持っていたらいくら純利益がもらえるのか?」を出したほうがわかりやすいですよね。

 

そこで出てくるのが1株あたりの純利益が出てくるのです。

 

ちなみにEPSという指標の名前が付いています。
青木

 

 

式はいたって簡単で、1株あたりの純利益=純利益÷発行済株式数で求めることができます。

 

PERの注意点とは?

ここでもう一度先ほどの文章に戻るのですが、少し追加しました。

 

その会社が1年間に稼ぎ出す(予定の)
1株あたりの純利益の金額に対して
現在の株価が何倍なのか?

 

実はこの【稼ぎ出す予定】ということを理解しておくことがとても重要になります。

 

株主の関心事というのは

疑問に思う人

自分が持っている(もしくは買おうとしている)会社の株は
将来どれだけ利益を出してくれるだろうか?

ということです。

 

会社の過去の実績が投資家に利益をもたらしてくれるというわけではなく、これから稼いでくれる利益がとても大切なことなのです。

 

ですので基本的にPERの指標に用いる純利益というのは、予想・予定の数字を用います。

 

これを理解しておかないと何が大変かと言いますと、例えばある会社が1年の初めに

「うちの会社は100億円の純利益を出します!」

と宣言して1年を始めたとします。(これを会社の業績予想と言います。)

 

しかし、半年ほど経って蓋を開けてみたら思わぬトラブルのために20億円しか稼げていないとなった場合、会社の中間決算報告で

「ごめーん、100億って予定だったけど、50億に予定変更させて!」

と下方修正を入れてくる可能性もあります。

 

そうするとどうなるか分かるでしょうか?100億円という予定で設定されていたPERの数値が、大きく変わってしまうことが想定されますね。

 

このように【予想・予定の数値】であるということを理解しておかないと、いつの間にかPERの数値が変わっていた!ということになりかねないので、注意してくださいね^^

 

PERはどんな使い方をするの?

では実際にPERとはどのように使っていけばいいのかご説明します。

 

次の図のように、250円という同じ株価の会社が2つあり、それぞれの1株あたりの純利益(EPS)が25円と100円だったとします。

 

 

この場合、1株250円を買ったとすると、どちらがお得になるでしょうか?

 

左の会社は、250円を払えば25円分の利益が帰ってくる可能性がある。

右の会社は、250円を払えば100円分の利益が帰ってくる可能性がある。

 

どちらがお得、つまり割安かというと右の会社です。

 

ではそれぞれPERを出してみると左の会社はPER10倍、右の会社はPER2.5倍となります。

 

結論としては【PERが低いと割安】と覚えておけば基本的には大丈夫です。

 

 

では実践問題を解いてみよう!

理解できたかどうかは実際に手を動かしてみて、考えてみるとよくわかります。ですので、ここで実際の数値を使って実践問題を解いてみましょう。

 

ここに[5703]日本軽金属HDと[7987]ナカバヤシという2つの会社があります。必要な2つの式と、当期純利益と発行済株式数の数値は載せてありますので、ぜひ電卓を叩いて1株あたりの純利益(EPS)とPERを出して、どちらが割安かを判定してみましょう!^^

 

 

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・・・・・・・どうでしょうか?解いてみたでしょうか?

 

では答え合わせです。

 

 

結果として[5703]日本軽金属HDが割安であるということが分かりました。

 

PERのまとめ

ここまで説明してきたように、PERというのは「その会社が割安なのか・割高なのか」を判断するファンダメンタルにおいてはとても重要な指標の一つです。

 

しかし、純利益は【予想・予定の数値】を用いているために、思わぬ場面でPERの数値が変化していたということがあるので理解しておくことも重要です。

 

以上のことを理解している範囲においては、「PERが低いと割安」ということを覚えておけば大丈夫かと思います^^

 

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