ボリンジャーバンドとは?
ボリンジャーバンドはテクニカル分析の指標の一つです。
ある一定期間の株価を参考に、今の株価が統計学的にどれくらい偏っているかを知ることができます。
ボリンジャーバンドは7本の線で構成されています。上から順に
- +3σ
- +2σ
- +1σ
- 移動平均線
- ー1σ
- ー2σ
- ー3σ
となっています。
株価がその線のうちどこに位置していかで、「確率論的にどれくらい偏っているか」を判断できます。
- +1σからー1σの間にいる確率:68.3%
- +2σからー2σの間にいる確率:95.4%
- +3σからー3σの間にいる確率:99.7%
上のリストのように、株価がどれだけ偏っているかを確率的に判断できます。
ここで逆にいうと
- +1σからー1σを超える確率:31.7%
- +2σからー2σを超える確率:4.6%
- +3σからー3σを超える確率:0.3%
と言う風に、ラインを超えるような場合にはかなり確率低い=偏りが強く出ていると判断することができます。
覚えておきたい3つの現象
ボリンジャーバンドを見ていくときに、よく起きる現象があるのでご紹介したいと思います。
エクスパンション
まず1つ目はエクスパンションと言う現象です。
この現象はいろいろな人が説明をしているのですが、基本的には「σラインが拡散する」または「±2σラインを突き抜ける」ことが起きるとエクスパンションです。
この後の手法でも説明しますが、エクスパンションは買い(売り)ポイントとなるので、要チェックです。
スクイーズ
2つ目はスクイーズです。
これはσラインが徐々に収束していく現象ですが、これはイメージとしてはエネルギーをためている状態で、収束後に大きくトレンドが変化したり、急騰・急落と言ったことが起きやすいです。
バンドウォーク
3つ目はバンドウォークです。
株価が±2σライン周辺に張り付きながら上昇していく現象です。順張り手法においてとらえていきたい現象です。
「偏っているから戻るだろう」は危ない!
ここまで説明して、察しの良い人ならこう考えるのではないでしょうか?

そうです、こう考えたのは自分です笑
実際のところはこんなうまくはいかないもので、その理由をご説明しましょう。
上図をご覧ください。
オレンジ枠の部分ではー2σラインを超えたので戻ると考えて買いでエントリー、株価が戻ったので利益になりました。
しかし、その後の+3σラインに当たったところで戻ると判断し売りエントリーすると、その後株価が上昇(バンドウォーク)してしまい、大損となってしまいました。
このようなことが起きてしまうのは、ボリンジャーバンドの性質をしっかり理解していないことが原因なのです。
ボリンジャーバンドは「ある一定期間(主に20日)の株価を参考に、統計的に偏りを算出」となっています。
ここで注目して欲しいのは「ある一定期間」と言う部分なのです。
例えば過去20日間はボックス相場で、80円〜120円の間で行ったり来たりしていたとします。
そして21日目に株価が150円まで上昇したとすると、過去のボックス相場においてはあまりにも突出しすぎた株価なので+2σ〜+3σラインあたりになってしまいます。
しかし、ここでトレンド転換を考えると、全く違った見方になります。
もしその150円が上昇トレンドに入ったタイミングのものだとしたら、過去20日分のボックス相場の株価よりもずれた株価になってしまうことは当たり前と考えられます。
つまり何が言いたいかというと、「トレンドが変化すると、ボリンジャーバンド上では確率的に偏っているように見える」と言うことを知っておいてください。
先ほどのチャートをよく見て欲しいのですが、+3σでエントリーした時点より前の3つの底がだんだんと切り上がっていて、上昇トレンドの兆候が見えているのがわかります。
ボリンジャーバンドを使った手法
ここでボリンジャーバンドを使った手法をご紹介したいと思います。逆張り手法(株価の反発をつかむ)と順張り手法(トレンドをつかむ)の2つがあります。
逆張り手法でいく
先ほど「トレンドが変化したら偏りが出るのは当たり前」と説明しましたが、逆に言うと「株価の動きが一定のボックス相場ならば偏ったら戻る」と見ることができます。
この性質を使って、逆張り手法を使っていきます。
上図はボックス相場になっているチャートを示しています。
★マークがエクスパンションした部分です。エクスパンションした後にしっかり株価が戻っていることがわかります。
つまり★マーク時点で逆張りで利益を取ることができます。
常にボックス相場でいくことはないので、いつまで続くかの判断は難しいところですが、一つの予兆としてスクイーズし始めるとトレンド転換する可能性が高いです。
チャートでも、スクイーズ後のエクスパンションではバンドウォークに移行していて、逆張り手法が使えなくなっています。
これはあくまでも経験則ではあるのですが、エクスパンションから株価が変動していく期間はだいたい8日〜20日程度と言われています。
順張り手法でいく
順張り手法とは「株価が上がったから、これからも上がるだろう」と言うトレンドの方向に沿って売買をしていく手法です。
ボリンジャーバンドでは、±2σラインを超えた後のバンドウォークをとっていくことになります。
バンドウォークが起きる傾向としてはトレンドの転換点で起きやすい傾向があります。
下の図のようにスクイーズが起きて、エネルギーが溜まって行き、エクスパンションすることでトレンド転換が起きることが多いです。
ですので、バンドウォークはスクイーズし始めた後に起きる可能性が高いです。
こちらも株価が下がり続ける(上がり続ける)期間は8日〜20日程度と言われています。
またトレンドが変化しそうかどうかをMACDを用いて判断することもできます。MACDの詳しい解説は以下のリンクをご覧ください。
MACDを確認するとゴールデンクロス後に0ラインに向けて上昇しているので、かなり上昇基調になっていることがわかります。
その状態の中でスクイーズが起きた後の★マークのエクスパンションが出てきて、バンドウォークが生じています。
このように他の指標を用いることで順張り手法の確度を高めることができます。
手法まとめ
ここで逆張り手法と順張り手法をまとめます。
逆張り手法は「ボックス相場」において「±2σラインに抵触(エクスパンション)」した時に使います。
順張り手法は「スクイーズまたは上昇・下降トレンド」において「±2σラインに抵触(エクスパンション)」した時に使います。